草木染め和紙を使用した椅子の制作
2025.4.7
Researchの概要
HIRAMATSUGUMIで開催するピアニストの演奏会のための椅子を制作した。
空間の中に自然を内包した要素を点在させることで、空間全体に植物の気配が立ち上がることを期待している。
黒谷和紙_紙漉キハタノ製作
植物_栗いが、サザンカ花片、八重椿花片、椿花片、枇杷葉、ノグルミ実、桜花片+枝葉
実験日2025年4月7日

染め_File06
染めに使用した素材
①.栗(いが)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
大鍋いっぱいの乾燥したいが/ひたひたの湧き水(約7L)
②.サザンカ(花片)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
冷凍保存の花片239g/湧き水赤なべ4/5杯(約4L)
③.八重椿 赤(花片)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
冷凍保存の花片1250g/湧き水ガラス1杯(約5L)
④.椿 ピンク(花片)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
冷凍保存の花片1325g/湧き水ガラス1杯(約5L)
⑤.ビワ(葉)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
赤なべいっぱいの乾燥した古い葉っぱ葉/ひたひたの湧き水(約4L)
⑥.ノグルミ(実)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
乾燥した実500g/湧き水ガラス1杯(約5L)
⑦.桜(花びら+枝+若葉)
淡路島洲本市の自社の庭にて採取したもの
花、枝、若葉を合わせて800g/湧き水ガラス1杯(約5L)
手順
⑴.濃染液(50~80℃の5Lの湯+10%のカラーアップ剤) 50~60℃ 1h
染めに使用する和紙を浸水しておく
*植物繊維には染料が入りずらいため、染まりやすくするために濃染処理を行う
⑵.洗い(水道水)
⑶.染色液(湧き水+アニノール) 50℃(人肌くらい)
和紙を一枚ずつ染色液に浸す. ムラが出ないように、和紙を返したり揺らしたりした
*染色液は植物をあらかじめ煮出すなどしたもの
⑷.洗い(水道水)
⑸.媒染液(湧き水) 15%*注 2.3min
銅媒染、アルミ媒染、鉄媒染の3パターンで比較する
⑹.洗い(水道水)
水を溜めたところに1枚ずつ浸し、やさしく洗う
*⑶~⑹の工程を1~5回繰り返す
⑺.ソーピング剤(湧き水+10ml) 室温20℃ 10min
染色後に余分な染料を除去する
⑻.乾燥
直射日光が当たらない風が通る場所で乾燥させる
今回は染めた分量が多かったため、一部屋外の日光の当たる場所にて乾燥。水分がある程度抜けてから室内に並べて一日放置して完全に乾燥させた
今回制作したもの
NEN Stoolサイズ(W450 D300 H420) 20脚
和紙サイズ(椅子1ヶ分)
座面 2つ切り*1枚
脚外側 450*340*2枚
脚内側 400*340*2枚
底面 141*410*1枚
①.栗のいが 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 2回
アルミ媒染 2回
鉄媒染 2回
②.サザンカ 和紙 椅子2ヶ分
アルミ媒染 2回
鉄媒染 2回
③.八重椿(赤) 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 1回
アルミ媒染 1回
鉄媒染 2回
④.椿(ピンク) 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 1回
アルミ媒染 2回
鉄媒染 1回
⑤.ビワ 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 2回
アルミ媒染 2回
鉄媒染 2回
⑥.ノグルミ 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 2回
アルミ媒染 2回
鉄媒染 1回
⑤.桜 和紙 椅子3ヶ分
銅媒染 1回
アルミ媒染 1回
鉄媒染 1回
所感
桜、びわは発色があまり良くない。染色液に浸水時にムラ
媒染液は5Lの水に対して各200mlの液。最後まで変えずに使用。
洗い工程を増やしたのが良かった。
午前2名、午後5名くらい参加。午後は洗い場を増やし、作業が効率よく進められた。


