淡路島の古民家での暮らし方_File10
2013.6.25
Researchの概要
調査日2013年6月25日
File10 西沢直樹 NISHIZAWA Naoki 牛尾範子 USHIO Noriko
西沢直樹 NISHIZAWA Naoki
略歴
1970 東京生まれ,
1996 アトリエ飛行船陶芸研究所に入所
1997-98 現代美術センター CCA北九州 に在籍,
1998-00 岐阜県土岐市にて陶芸家に従事
2000-2003 Studio MAVOにて活動
2008- 淡路島にて活動
牛尾範子 USHIO Noriko
略歴
1971 兵庫県淡路島に生まれる
1995 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2000-2002 STUDIO MAVO にて活動
2008- 淡路島にて活動
2002 国際陶磁器フェスティバル美濃<デザイン部門> 入選
2005 国際陶磁器フェスティバル美濃<デザイン部門> 入選
工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選
他、個展多数
1. 自然の中で暮らす

「今日も雨ですね」アトリエで作業中の西沢範子さんが笑いながら挨拶してくれた。僕がこの場所を訪ねると必ずといっていいほど雨。そのおかげで、艶やかでとても鮮やかな緑が迎えてくれる。西沢直樹さん、範子さん夫妻が暮らす淡路市仁井のお宅は、仁井小学校から何度も急で細い坂道を登ってようやくたどり着く山深い場所。「手入れしないとすぐに車が通れなくなってしまうんです」 石田谷地区には旧道沿いに、現在8軒の住人が暮らしている。その地区に住む人たちで道を管理し手入れをしているそう。
「自然の力はすごいです。ゴムなんかの石油製品の劣化が今まで暮らしていた所よりも早いんです。自然に帰ろうとしているのかも?」 ゴム製の靴底なんかは直ぐにダメになる。淡路島の山は植林されてないから、山の移り変わりがよく分かるという。鳥もいっぱいいて、オオルリ、カワセミ、コゲラなども見られるそう。燕が毎年やってきて、今もリビングからすぐのところで休憩 中。そんな自然の真っ只中でお二人は息子さん二人とおばあさんの5人で暮らしている。
取材も終わりに近づいた頃、息子さんをお迎えに行っていた直樹さんがなにやら抱えて帰ってきた。親と離れ離れになったウリ坊!「どうしよかなぁ」と直樹さん。自然の真っ只中に暮らすということを少し実感できた瞬間だった。
2. 島で暮らしたい

お二人の出会いは岐阜県多治見市、安藤雅信さん主宰のレンタル工房studio MAVO。範子さんは多治見市の陶磁器意匠研究所を経て養護学校で窯業を教える非常勤講師として働きながらstudio MAVOで作品を作っていた。一方、直樹さんは現代美術センター・CCA北九州から多治見の陶芸家の元に弟子入りしていた。studio MAVOではほとんど陶芸をしないで棚や家具ばっかり作っていた。そんなお二人が子どもが生まれたのを機に、新しい生活をするためにどこか別のところに移り住むことを決意。直樹さんが島に移りたいと、屋久島などいろんな島を見てまわった。「ただ、どこもいい環境なんだけど陶芸をして暮らすにはしっくりこなかった」 そんななか範子さんの実家である淡路島におばあちゃんと暮らす事に。
3. 家のはなし

もともと範子さんのおばあさんの家ということで子どもの頃から何度も来ていたためなんの違和感もなくすんなりきまっていったそう。新しいものを建てるのは考えられなかったため、おばあさんの家を改装することに。そこで、お願いする人は自分達が好きな人にやってもらいたいとネットや本で探しまくったという。京都の建築家にお願いすることになったのだが、その建築家はまず土地の周辺を散策、旧道もぐるっと歩いてその土地にどういう風に家が建っているかずっと観察していた。左官を贅沢に使い、外部と見事につながったみんなが集まるキッチンのある部屋。360度、ぐるっと細長いガラスがはめ込まれ、周囲のみどりが見渡せ、低い天井と床レベルの高低差を生かし、ごつごつした大きな梁が手の届くところにある空間はなんとも居心地がいい屋根裏部屋。作品とお気に入りの本や物たちがバランスよく自然においてあり、奥行きと彩りを加える。子ども達が毎朝競って組み直す積み木も日によって変わるディスプレイ。たまに、「おっ」と思わされることもあるという。
4. 必然性のあるかたち

「私が使いたいものを作ってるんです。民藝じゃないけど、道具というか、使いやすくって、 必然性がちゃんとあるカタチをつくりたい」 範子さんは、家の隣の昔農機具倉庫だったところで製作をしている。今までは子育てでそれどころじゃなかったが4月、次男が保育園に通いだしたのを期にようやく陶芸が出来るようになった。いまでも、子どもが熱出したら陶芸はお休み。子どもに合わせた作家活動は思うように行かないこともあるようだが、それも範子さんにあったペースのように感じる。「ロクロのスピードが苦手」とは言いながらも、ロクロならロクロ、手びねりなら手びねり、型なら型のよさを見つけ出し、それにあうものを作っているという。「少しずつ、うまくなりたい」と謙遜。正解はひとつではなく、それぞれにそれぞれのいいところがある。多様性を認めそこからさらなる可能性を探るそんな姿勢が魅力的だ。
5. 根性なし

子どものころからコンピューターが好きでプログラマーになり、現代美術センター・CCA北九州で現代アートを学び、知人からの紹介で多治見の陶芸家の弟子になる。パイクは好きだけどスピードの出ない原付。早すぎると見落とすものが多くなるので嫌だとか。バイクで日本一周を試みるも途中の石垣島の魅力にとりつかれ、1ヵ月半そこでキャンプ生活をしてしまいあっけなく日本1周は断念される。「根性なしなんです」が決まり文句。なにがなんでもゴールを目指すのではなく、それよりも、 何事もしなやかでおおらかに受け取り、なんだかその道中を人一倍楽しんでいるように感じられ羨ましくなった。
6. リコミンカに一言お願いします!

「淡路島では何の違和感もなく暮らせている」海があって、そのまま食べられる新鮮な食材がある。一番は風があって流れがあるので、閉じていながらも留まって滞ることなく流れ続けるそんな場所にいごこちのよさを感じていると淡路島について。その反面、田舎ではゴミを平然と捨てる場面に出くわすこともあるという。
リビングの真ん中に置かれている机は学校の技術家庭に使われていたものを譲ってもらったもので、最初はニスやら絵の具やらでとても汚かったそう。それを妊娠中に範子さんがカンナでひとつの作品を創り上げるように根気よくこつこつと磨き上げていった。写真でも見て分かるようにとても美しいテーブルに仕上がっている。
「いいつくりでいいものを長く使うのはとてもいいことですよ」
「今日も雨ですね」アトリエで作業中の西沢範子さんが笑いながら挨拶してくれた。僕がこの場所を訪ねると必ずといっていいほど雨。そのおかげで、艶やかでとても鮮やかな緑が迎えてくれる。西沢直樹さん、範子さん夫妻が暮らす淡路市仁井のお宅は、仁井小学校から何度も急で細い坂道を登ってようやくたどり着く山深い場所。「手入れしないとすぐに車が通れなくなってしまうんです」 石田谷地区には旧道沿いに、現在8軒の住人が暮らしている。その地区に住む人たちで道を管理し手入れをしているそう。
「自然の力はすごいです。ゴムなんかの石油製品の劣化が今まで暮らしていた所よりも早いんです。自然に帰ろうとしているのかも?」 ゴム製の靴底なんかは直ぐにダメになる。淡路島の山は植林されてないから、山の移り変わりがよく分かるという。鳥もいっぱいいて、オオルリ、カワセミ、コゲラなども見られるそう。燕が毎年やってきて、今もリビングからすぐのところで休憩 中。そんな自然の真っ只中でお二人は息子さん二人とおばあさんの5人で暮らしている。
取材も終わりに近づいた頃、息子さんをお迎えに行っていた直樹さんがなにやら抱えて帰ってきた。親と離れ離れになったウリ坊!「どうしよかなぁ」と直樹さん。自然の真っ只中に暮らすということを少し実感できた瞬間だった。
お二人の出会いは岐阜県多治見市、安藤雅信さん主宰のレンタル工房studio MAVO。範子さんは多治見市の陶磁器意匠研究所を経て養護学校で窯業を教える非常勤講師として働きながらstudio MAVOで作品を作っていた。一方、直樹さんは現代美術センター・CCA北九州から多治見の陶芸家の元に弟子入りしていた。studio MAVOではほとんど陶芸をしないで棚や家具ばっかり作っていた。そんなお二人が子どもが生まれたのを機に、新しい生活をするためにどこか別のところに移り住むことを決意。直樹さんが島に移りたいと、屋久島などいろんな島を見てまわった。「ただ、どこもいい環境なんだけど陶芸をして暮らすにはしっくりこなかった」 そんななか範子さんの実家である淡路島におばあちゃんと暮らす事に。
3. 家のはなし

もともと範子さんのおばあさんの家ということで子どもの頃から何度も来ていたためなんの違和感もなくすんなりきまっていったそう。新しいものを建てるのは考えられなかったため、おばあさんの家を改装することに。そこで、お願いする人は自分達が好きな人にやってもらいたいとネットや本で探しまくったという。京都の建築家にお願いすることになったのだが、その建築家はまず土地の周辺を散策、旧道もぐるっと歩いてその土地にどういう風に家が建っているかずっと観察していた。左官を贅沢に使い、外部と見事につながったみんなが集まるキッチンのある部屋。360度、ぐるっと細長いガラスがはめ込まれ、周囲のみどりが見渡せ、低い天井と床レベルの高低差を生かし、ごつごつした大きな梁が手の届くところにある空間はなんとも居心地がいい屋根裏部屋。作品とお気に入りの本や物たちがバランスよく自然においてあり、奥行きと彩りを加える。子ども達が毎朝競って組み直す積み木も日によって変わるディスプレイ。たまに、「おっ」と思わされることもあるという。
4. 必然性のあるかたち

「私が使いたいものを作ってるんです。民藝じゃないけど、道具というか、使いやすくって、 必然性がちゃんとあるカタチをつくりたい」 範子さんは、家の隣の昔農機具倉庫だったところで製作をしている。今までは子育てでそれどころじゃなかったが4月、次男が保育園に通いだしたのを期にようやく陶芸が出来るようになった。いまでも、子どもが熱出したら陶芸はお休み。子どもに合わせた作家活動は思うように行かないこともあるようだが、それも範子さんにあったペースのように感じる。「ロクロのスピードが苦手」とは言いながらも、ロクロならロクロ、手びねりなら手びねり、型なら型のよさを見つけ出し、それにあうものを作っているという。「少しずつ、うまくなりたい」と謙遜。正解はひとつではなく、それぞれにそれぞれのいいところがある。多様性を認めそこからさらなる可能性を探るそんな姿勢が魅力的だ。
5. 根性なし

子どものころからコンピューターが好きでプログラマーになり、現代美術センター・CCA北九州で現代アートを学び、知人からの紹介で多治見の陶芸家の弟子になる。パイクは好きだけどスピードの出ない原付。早すぎると見落とすものが多くなるので嫌だとか。バイクで日本一周を試みるも途中の石垣島の魅力にとりつかれ、1ヵ月半そこでキャンプ生活をしてしまいあっけなく日本1周は断念される。「根性なしなんです」が決まり文句。なにがなんでもゴールを目指すのではなく、それよりも、 何事もしなやかでおおらかに受け取り、なんだかその道中を人一倍楽しんでいるように感じられ羨ましくなった。
6. リコミンカに一言お願いします!

「淡路島では何の違和感もなく暮らせている」海があって、そのまま食べられる新鮮な食材がある。一番は風があって流れがあるので、閉じていながらも留まって滞ることなく流れ続けるそんな場所にいごこちのよさを感じていると淡路島について。その反面、田舎ではゴミを平然と捨てる場面に出くわすこともあるという。
リビングの真ん中に置かれている机は学校の技術家庭に使われていたものを譲ってもらったもので、最初はニスやら絵の具やらでとても汚かったそう。それを妊娠中に範子さんがカンナでひとつの作品を創り上げるように根気よくこつこつと磨き上げていった。写真でも見て分かるようにとても美しいテーブルに仕上がっている。
「いいつくりでいいものを長く使うのはとてもいいことですよ」
もともと範子さんのおばあさんの家ということで子どもの頃から何度も来ていたためなんの違和感もなくすんなりきまっていったそう。新しいものを建てるのは考えられなかったため、おばあさんの家を改装することに。そこで、お願いする人は自分達が好きな人にやってもらいたいとネットや本で探しまくったという。京都の建築家にお願いすることになったのだが、その建築家はまず土地の周辺を散策、旧道もぐるっと歩いてその土地にどういう風に家が建っているかずっと観察していた。左官を贅沢に使い、外部と見事につながったみんなが集まるキッチンのある部屋。360度、ぐるっと細長いガラスがはめ込まれ、周囲のみどりが見渡せ、低い天井と床レベルの高低差を生かし、ごつごつした大きな梁が手の届くところにある空間はなんとも居心地がいい屋根裏部屋。作品とお気に入りの本や物たちがバランスよく自然においてあり、奥行きと彩りを加える。子ども達が毎朝競って組み直す積み木も日によって変わるディスプレイ。たまに、「おっ」と思わされることもあるという。
「私が使いたいものを作ってるんです。民藝じゃないけど、道具というか、使いやすくって、 必然性がちゃんとあるカタチをつくりたい」 範子さんは、家の隣の昔農機具倉庫だったところで製作をしている。今までは子育てでそれどころじゃなかったが4月、次男が保育園に通いだしたのを期にようやく陶芸が出来るようになった。いまでも、子どもが熱出したら陶芸はお休み。子どもに合わせた作家活動は思うように行かないこともあるようだが、それも範子さんにあったペースのように感じる。「ロクロのスピードが苦手」とは言いながらも、ロクロならロクロ、手びねりなら手びねり、型なら型のよさを見つけ出し、それにあうものを作っているという。「少しずつ、うまくなりたい」と謙遜。正解はひとつではなく、それぞれにそれぞれのいいところがある。多様性を認めそこからさらなる可能性を探るそんな姿勢が魅力的だ。
5. 根性なし

子どものころからコンピューターが好きでプログラマーになり、現代美術センター・CCA北九州で現代アートを学び、知人からの紹介で多治見の陶芸家の弟子になる。パイクは好きだけどスピードの出ない原付。早すぎると見落とすものが多くなるので嫌だとか。バイクで日本一周を試みるも途中の石垣島の魅力にとりつかれ、1ヵ月半そこでキャンプ生活をしてしまいあっけなく日本1周は断念される。「根性なしなんです」が決まり文句。なにがなんでもゴールを目指すのではなく、それよりも、 何事もしなやかでおおらかに受け取り、なんだかその道中を人一倍楽しんでいるように感じられ羨ましくなった。
6. リコミンカに一言お願いします!

「淡路島では何の違和感もなく暮らせている」海があって、そのまま食べられる新鮮な食材がある。一番は風があって流れがあるので、閉じていながらも留まって滞ることなく流れ続けるそんな場所にいごこちのよさを感じていると淡路島について。その反面、田舎ではゴミを平然と捨てる場面に出くわすこともあるという。
リビングの真ん中に置かれている机は学校の技術家庭に使われていたものを譲ってもらったもので、最初はニスやら絵の具やらでとても汚かったそう。それを妊娠中に範子さんがカンナでひとつの作品を創り上げるように根気よくこつこつと磨き上げていった。写真でも見て分かるようにとても美しいテーブルに仕上がっている。
「いいつくりでいいものを長く使うのはとてもいいことですよ」
子どものころからコンピューターが好きでプログラマーになり、現代美術センター・CCA北九州で現代アートを学び、知人からの紹介で多治見の陶芸家の弟子になる。パイクは好きだけどスピードの出ない原付。早すぎると見落とすものが多くなるので嫌だとか。バイクで日本一周を試みるも途中の石垣島の魅力にとりつかれ、1ヵ月半そこでキャンプ生活をしてしまいあっけなく日本1周は断念される。「根性なしなんです」が決まり文句。なにがなんでもゴールを目指すのではなく、それよりも、 何事もしなやかでおおらかに受け取り、なんだかその道中を人一倍楽しんでいるように感じられ羨ましくなった。
「淡路島では何の違和感もなく暮らせている」海があって、そのまま食べられる新鮮な食材がある。一番は風があって流れがあるので、閉じていながらも留まって滞ることなく流れ続けるそんな場所にいごこちのよさを感じていると淡路島について。その反面、田舎ではゴミを平然と捨てる場面に出くわすこともあるという。
リビングの真ん中に置かれている机は学校の技術家庭に使われていたものを譲ってもらったもので、最初はニスやら絵の具やらでとても汚かったそう。それを妊娠中に範子さんがカンナでひとつの作品を創り上げるように根気よくこつこつと磨き上げていった。写真でも見て分かるようにとても美しいテーブルに仕上がっている。
「いいつくりでいいものを長く使うのはとてもいいことですよ」