淡路島の古民家での暮らし方_File07
2012.12.12
Researchの概要
調査日2012年12月12日
File07 馬崎 泰成 umazaki yasushige
1976年生まれ。大阪市出身。自身で理想の飲食店をしたいと思い、いろんな食材を研究する。既存の農作物に満足できず、自分で生産してみようと決心し淡路島へ移住。無農薬は勿論、肥料・堆肥他一切の資材を使用しない自然栽培を実践する。今後は農業だけでなく、一切不純物質の無い自然の飼料のみの畜産や酪農にも取り組んで行きたいと考えている。化学物質過敏症の人も安心して美味しく食べられる、本当の健康な食材のみを使った飲食業グループを作るのが目標。
1. 食の世界一

「自分は性格的には農業に向いてないんですよ。でも要点をおさえることが比較的得意なほうなのでネットワークを広げていけたらと思ってます」 淡路島に来て4年、野菜の栽培をはじめて2年の馬崎泰成さん。空手で世界チャンピオンを目指していたこともあったそうで、やめてからは何をしても満たされない思いがあったそう。居心地が悪くなっては引っ越しを繰り返す日々を過ごしているうち、矛盾してることは長続きしないという事に気づき、もう一度打ち込めるものを見つけようと思って辿り着いたのが「食べること」だった。勝負師の馬崎さんが食という分野で目指すのはもちろん世界一。「飲み物から食べ物まですべてに凝りきりたい。化学物質過敏症の人でも普通に食べられるお店を作って広げていきたいんです」 夢は日本にとどまらずアジア中で一般の消費者がスーパーでいい食材を手に取れるようにしたいから、その為に野菜のネットワーク作りが必要になり、まず自分が農業をはじめたという馬崎さん。まだ収入も安定しないそうですがバイトで副収入を得ることはしないで、今は我慢の時。「勝負所でバカになれないと勝てないですからね。何より空手にかわる夢を見つけられたのがうれしくてしょうがないんです」情熱的に語ってくれました。
2. 野菜の性格

一般に認知されてる形に近いもので、何にでも使い易いものを中心に人参、白菜、レタス、カブ、トマト、アボカドの木などいろんな種類の野菜を栽培されている。人参は歯が折れそうなくらいしっかりしていて香味が爽やかで、レタスは嫌なえぐみが全くなくしっかりした味。カブは形によって味の出方が違ったり上の部分と下の部分の風味が違ったり。無農薬、無肥料栽培と聞くと勝手にもうちょっとワイルドな味を想像していましたが、馬崎さんの野菜はどこか優しく繊細で野菜の素の味がする。子供も喜んで食べそうなクリアな味。「今はシャキシャキして甘みのあるのが良い野菜みたいになってるところがありますよね。もちろんそれもいいと思うんですが、甘み以外の部分、雑味も含めて野菜にはもっと複雑な味があると思うんです。 僕はそういう部分を守っていけたらいいなと思っています」
3. 輪廻

馬崎さんの野菜作りはピーマン、カボチャ、オクラ、トマト、きゅうりなど全て固定種、在来種を育てているので毎年種をとって繋いでいく。1年目は1000以上植えて良い人参が6本しかとれなかった。でも種をとって2年目に植えるといい人参がどんどん増えた。「種とりってけっこうじゃまくさがる人も多いけどおもしろいんですよ。今年の続きが来年っていう感じでずっと続いていくから。コンティニューです。やっていけば楽しみに繋がるし、野菜には感性で接していく。いくら本を読んで勉強しても本通りにはいかないし、自己完結せずに納得いくまで観察して考えることが大事だと思いますね。子育てみたいにね。野菜にもそれぞれ個性があって出来の悪いやつがだんだん良くなっていく場合もあるし。そうやって丁寧に繋いでいくと輪っかもいろんな角度から繋がって球体に近づいていくかな」 本が好きだという馬崎さんの視野はすごく広くてシャープな気がした
4. 失敗する権利

点在する農地の中で段々畑には主に種とり用の作物が植えられている。「今年は島オクラの出来がよくて、よかったら持って帰りますか」と貴重な種を分けていただきました。守り亀?が見守ってくれているハウスでは12月の中旬でもまだトマトが実っている。大豆にかけられた不思議な網について尋ねると、一緒に野菜作りをしている方の担当だそうで「これね、 カメムシよけに漁師にもらってきたネットをかけてるらしいんです。意味あるんか?って思うんですけどまあ本人の思うところもあるやろうし」と見守ってるらしい。無農薬、無肥料栽培を実践している馬崎さんの噂を聞いて農業を目指す若者が集まってくるとか。「僕は基本は教えるけど、細かく口出しはしないですね。失敗はチャンスだからそれを取り上げてしまう気がして。ひとりでは大きなことは出来ないと思ってるしどんどん人を巻き込んで、いずれ自分は広げる方に集中していきたいと思ってます。大工の親方が段取り8分、仕事2分と言ってたのが今よく解りますね」
5. 自慢の一品

普段は自分で作った野菜で鍋を作ったりするそうで、最近は簡単な魚ならさばけるようになったとか。お気に入りは新鮮ないかの肝と醤油、昆布であえる手作りのいかのすみあえ。 「漁師の友人からよくいかを分けてもらうんですけど毎日刺身でたくさんも食べられないし、思いついたのがこのすみあえなんです。ちょっと食べてみます?」と試食させていただきました。これがまろやかで臭みもなく、すごくおいしくてびっくりしました。 白ご飯にもお酒にも合う!「けっこういけるでしょ。これも三年古式製法の醤油でないとカビが生えてだめなんですよ」とここでも馬崎さんのこだわりが。
6. リコミンカに一言お願いします!

「リサイクルできる社会がこれからの課題でしょうから、古きよきを生かすっていうのはすばらしいんじゃないですかね。利便性や効率を求めすぎて価値観がひとつに塗りつぶされるのが怖いなと思います。ひとつの価値観で押し進めてきたから歪みがきたと思うし、効率とかも大事やけど多様性がないとなと思います。あと野菜を作ってみたいけど土地が借りれないという人がいたら、声をかけてもらったらお力になれるかもしれません。どんどんいいものを作る人が増えてほしいから。」と嬉しいお言葉をいただきました。
「自分は性格的には農業に向いてないんですよ。でも要点をおさえることが比較的得意なほうなのでネットワークを広げていけたらと思ってます」 淡路島に来て4年、野菜の栽培をはじめて2年の馬崎泰成さん。空手で世界チャンピオンを目指していたこともあったそうで、やめてからは何をしても満たされない思いがあったそう。居心地が悪くなっては引っ越しを繰り返す日々を過ごしているうち、矛盾してることは長続きしないという事に気づき、もう一度打ち込めるものを見つけようと思って辿り着いたのが「食べること」だった。勝負師の馬崎さんが食という分野で目指すのはもちろん世界一。「飲み物から食べ物まですべてに凝りきりたい。化学物質過敏症の人でも普通に食べられるお店を作って広げていきたいんです」 夢は日本にとどまらずアジア中で一般の消費者がスーパーでいい食材を手に取れるようにしたいから、その為に野菜のネットワーク作りが必要になり、まず自分が農業をはじめたという馬崎さん。まだ収入も安定しないそうですがバイトで副収入を得ることはしないで、今は我慢の時。「勝負所でバカになれないと勝てないですからね。何より空手にかわる夢を見つけられたのがうれしくてしょうがないんです」情熱的に語ってくれました。
一般に認知されてる形に近いもので、何にでも使い易いものを中心に人参、白菜、レタス、カブ、トマト、アボカドの木などいろんな種類の野菜を栽培されている。人参は歯が折れそうなくらいしっかりしていて香味が爽やかで、レタスは嫌なえぐみが全くなくしっかりした味。カブは形によって味の出方が違ったり上の部分と下の部分の風味が違ったり。無農薬、無肥料栽培と聞くと勝手にもうちょっとワイルドな味を想像していましたが、馬崎さんの野菜はどこか優しく繊細で野菜の素の味がする。子供も喜んで食べそうなクリアな味。「今はシャキシャキして甘みのあるのが良い野菜みたいになってるところがありますよね。もちろんそれもいいと思うんですが、甘み以外の部分、雑味も含めて野菜にはもっと複雑な味があると思うんです。 僕はそういう部分を守っていけたらいいなと思っています」
3. 輪廻

馬崎さんの野菜作りはピーマン、カボチャ、オクラ、トマト、きゅうりなど全て固定種、在来種を育てているので毎年種をとって繋いでいく。1年目は1000以上植えて良い人参が6本しかとれなかった。でも種をとって2年目に植えるといい人参がどんどん増えた。「種とりってけっこうじゃまくさがる人も多いけどおもしろいんですよ。今年の続きが来年っていう感じでずっと続いていくから。コンティニューです。やっていけば楽しみに繋がるし、野菜には感性で接していく。いくら本を読んで勉強しても本通りにはいかないし、自己完結せずに納得いくまで観察して考えることが大事だと思いますね。子育てみたいにね。野菜にもそれぞれ個性があって出来の悪いやつがだんだん良くなっていく場合もあるし。そうやって丁寧に繋いでいくと輪っかもいろんな角度から繋がって球体に近づいていくかな」 本が好きだという馬崎さんの視野はすごく広くてシャープな気がした
4. 失敗する権利

点在する農地の中で段々畑には主に種とり用の作物が植えられている。「今年は島オクラの出来がよくて、よかったら持って帰りますか」と貴重な種を分けていただきました。守り亀?が見守ってくれているハウスでは12月の中旬でもまだトマトが実っている。大豆にかけられた不思議な網について尋ねると、一緒に野菜作りをしている方の担当だそうで「これね、 カメムシよけに漁師にもらってきたネットをかけてるらしいんです。意味あるんか?って思うんですけどまあ本人の思うところもあるやろうし」と見守ってるらしい。無農薬、無肥料栽培を実践している馬崎さんの噂を聞いて農業を目指す若者が集まってくるとか。「僕は基本は教えるけど、細かく口出しはしないですね。失敗はチャンスだからそれを取り上げてしまう気がして。ひとりでは大きなことは出来ないと思ってるしどんどん人を巻き込んで、いずれ自分は広げる方に集中していきたいと思ってます。大工の親方が段取り8分、仕事2分と言ってたのが今よく解りますね」
5. 自慢の一品

普段は自分で作った野菜で鍋を作ったりするそうで、最近は簡単な魚ならさばけるようになったとか。お気に入りは新鮮ないかの肝と醤油、昆布であえる手作りのいかのすみあえ。 「漁師の友人からよくいかを分けてもらうんですけど毎日刺身でたくさんも食べられないし、思いついたのがこのすみあえなんです。ちょっと食べてみます?」と試食させていただきました。これがまろやかで臭みもなく、すごくおいしくてびっくりしました。 白ご飯にもお酒にも合う!「けっこういけるでしょ。これも三年古式製法の醤油でないとカビが生えてだめなんですよ」とここでも馬崎さんのこだわりが。
6. リコミンカに一言お願いします!

「リサイクルできる社会がこれからの課題でしょうから、古きよきを生かすっていうのはすばらしいんじゃないですかね。利便性や効率を求めすぎて価値観がひとつに塗りつぶされるのが怖いなと思います。ひとつの価値観で押し進めてきたから歪みがきたと思うし、効率とかも大事やけど多様性がないとなと思います。あと野菜を作ってみたいけど土地が借りれないという人がいたら、声をかけてもらったらお力になれるかもしれません。どんどんいいものを作る人が増えてほしいから。」と嬉しいお言葉をいただきました。
馬崎さんの野菜作りはピーマン、カボチャ、オクラ、トマト、きゅうりなど全て固定種、在来種を育てているので毎年種をとって繋いでいく。1年目は1000以上植えて良い人参が6本しかとれなかった。でも種をとって2年目に植えるといい人参がどんどん増えた。「種とりってけっこうじゃまくさがる人も多いけどおもしろいんですよ。今年の続きが来年っていう感じでずっと続いていくから。コンティニューです。やっていけば楽しみに繋がるし、野菜には感性で接していく。いくら本を読んで勉強しても本通りにはいかないし、自己完結せずに納得いくまで観察して考えることが大事だと思いますね。子育てみたいにね。野菜にもそれぞれ個性があって出来の悪いやつがだんだん良くなっていく場合もあるし。そうやって丁寧に繋いでいくと輪っかもいろんな角度から繋がって球体に近づいていくかな」 本が好きだという馬崎さんの視野はすごく広くてシャープな気がした
点在する農地の中で段々畑には主に種とり用の作物が植えられている。「今年は島オクラの出来がよくて、よかったら持って帰りますか」と貴重な種を分けていただきました。守り亀?が見守ってくれているハウスでは12月の中旬でもまだトマトが実っている。大豆にかけられた不思議な網について尋ねると、一緒に野菜作りをしている方の担当だそうで「これね、 カメムシよけに漁師にもらってきたネットをかけてるらしいんです。意味あるんか?って思うんですけどまあ本人の思うところもあるやろうし」と見守ってるらしい。無農薬、無肥料栽培を実践している馬崎さんの噂を聞いて農業を目指す若者が集まってくるとか。「僕は基本は教えるけど、細かく口出しはしないですね。失敗はチャンスだからそれを取り上げてしまう気がして。ひとりでは大きなことは出来ないと思ってるしどんどん人を巻き込んで、いずれ自分は広げる方に集中していきたいと思ってます。大工の親方が段取り8分、仕事2分と言ってたのが今よく解りますね」
5. 自慢の一品

普段は自分で作った野菜で鍋を作ったりするそうで、最近は簡単な魚ならさばけるようになったとか。お気に入りは新鮮ないかの肝と醤油、昆布であえる手作りのいかのすみあえ。 「漁師の友人からよくいかを分けてもらうんですけど毎日刺身でたくさんも食べられないし、思いついたのがこのすみあえなんです。ちょっと食べてみます?」と試食させていただきました。これがまろやかで臭みもなく、すごくおいしくてびっくりしました。 白ご飯にもお酒にも合う!「けっこういけるでしょ。これも三年古式製法の醤油でないとカビが生えてだめなんですよ」とここでも馬崎さんのこだわりが。
6. リコミンカに一言お願いします!

「リサイクルできる社会がこれからの課題でしょうから、古きよきを生かすっていうのはすばらしいんじゃないですかね。利便性や効率を求めすぎて価値観がひとつに塗りつぶされるのが怖いなと思います。ひとつの価値観で押し進めてきたから歪みがきたと思うし、効率とかも大事やけど多様性がないとなと思います。あと野菜を作ってみたいけど土地が借りれないという人がいたら、声をかけてもらったらお力になれるかもしれません。どんどんいいものを作る人が増えてほしいから。」と嬉しいお言葉をいただきました。
普段は自分で作った野菜で鍋を作ったりするそうで、最近は簡単な魚ならさばけるようになったとか。お気に入りは新鮮ないかの肝と醤油、昆布であえる手作りのいかのすみあえ。 「漁師の友人からよくいかを分けてもらうんですけど毎日刺身でたくさんも食べられないし、思いついたのがこのすみあえなんです。ちょっと食べてみます?」と試食させていただきました。これがまろやかで臭みもなく、すごくおいしくてびっくりしました。 白ご飯にもお酒にも合う!「けっこういけるでしょ。これも三年古式製法の醤油でないとカビが生えてだめなんですよ」とここでも馬崎さんのこだわりが。
「リサイクルできる社会がこれからの課題でしょうから、古きよきを生かすっていうのはすばらしいんじゃないですかね。利便性や効率を求めすぎて価値観がひとつに塗りつぶされるのが怖いなと思います。ひとつの価値観で押し進めてきたから歪みがきたと思うし、効率とかも大事やけど多様性がないとなと思います。あと野菜を作ってみたいけど土地が借りれないという人がいたら、声をかけてもらったらお力になれるかもしれません。どんどんいいものを作る人が増えてほしいから。」と嬉しいお言葉をいただきました。