DONZA展~つむがれゆく美~
- 会期 │ 2021年10月29日(金) - 31日(日)
- 時間 │ 10:00 - 17:00(31日は15時まで)
淡路島の民が紡いだ手作業の美しさ、現代につなぐ。 昭和前期まで、漁師の仕事着そして、晴れ着であった刺し子の「ドンザ」。“板子一枚下は地獄”と言われるように、漁師の仕事は厳しく、女性たちは夫や息子の身の安全を願い、藍で染めた木綿布を数枚重ね、一針ひとはり刺した丈夫な衣服を作っていました。 時代の変化により、使われなくなり、忘れられてしまっていたドンザや藍染めが、近年、淡路島の産業界で注目されつつあります。さらに、今年4月より、淡路島内に住む1人の大学院生が調査を始め、あらゆることが分かってきました。
「ドンザ」をより多くの人々に知ってもらおうと、島民の有志による「DONZA展〜つむがれゆく美~」を開催します。 どのように作られたのか、そして今どのように活かされているのか。普段は見れない淡路島の個人所有ドンザ6着に加え、調査で分かってきた当時のエピソードや、淡路の紺屋、藍染めプロセス等の展示、藍染や刺し子のワークショップなど、ドンザに魅了された淡路島民が作り上げるDONZA展をお楽しみください。
ドンザを見ていただき、新たな商品が生み出されることを期待するとともに、「守り・継承」することで、島のまちづくりや地域産業活性化の一助になればと期待しています。
日時 10月29日(金)~31日(日)10~17時(31日は15時まで)
場所 HIRAMATSUGUMI (兵庫県洲本市中川原町中川原555)
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ワークショップ
藍染体験
淡路島で育んだ「おのころ藍」で建てた染色液を持参します。天然素材のみで行う生きた藍染めをお楽しみください。
日時 10月30日(土) ※色の出具合次第で終了
参加費 ハンドタオル(1,500円)、てぬぐい(3,000円)
講師 AWAJI藍LANDproject 根岸誠一・絵理
刺し子体験
おのころ藍で染めた布でHougetsuがデザイン・縫製したマスクに、織工房 いついろが染めた手紡ぎの糸でドンザ模様を施すDONZA展オリジナル企画です。刺し子をしながら、思いを馳せてみませんか。
日時 10月31日(日)
第1部:10~12時
第2部:13~15時
定員 各5人(先着順)
参加費 5,500円
講師 Hougetsu あまづつみまなみ
織工房 いついろ 山下絵里
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展示販売
「どんざタイル」や「島のふく」など、ドンザや染めなど淡路島の文化を繋ぐ想いを込めて作ったプロダクトを揃えています。
どんざタイル(株式会社 Danto Tile)
明治時代に製造されていた乾式成形製法のマジョリカタイルと『どんざ』が、100年の時を超えて融合した新しいタイル。(淡路島を代表する陶磁器「珉平焼」を起源に持ち、130年以上の歴史と伝統に培われたタイル製造会社。)
島のふく
ドンザに出会ったことをきっかけに、 淡路島で育てた藍、玉葱、刈萱などを使用し染色した糸を使って創作。身に付けるほど体に寄り添い、使うほど愛着が湧き、一織り、一針の温かみを感じていただけましたら幸いです。
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DONZA café
藍茶、藍chai、藍を使ったお菓子をご用意しています。
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ワークショップ講師Profile
あまづつみまなみ
南あわじ市出身。服飾の専門学校を経て上京し、アパレル会社に勤務した後、一家で淡路島に移住。2005年横浜でオリジナルブランド「CHAR*」を立ち上げる。2016年には、「島のふく」や藍染服を取り扱う萌蘖 / hougetsuをオープンし、ファッションの可能性を育んでいる。
織工房 いついろ 山下絵里
洲本市五色町出身。倉敷本染手織研究所を卒業後、沖縄県の宮古島で仲宗根みちこ氏に師事。2005年、淡路島に戻り「織工房 いついろ」を始め、木綿や麻の糸を植物染料で染めた手織物を制作し、素材を生かすことを第一に、長年愛用してもらえる布を目指している。
藍LANDproject 根岸誠一・絵理
「おのころ藍」と名付けた蓼藍の栽培から染料作り、染色までを一貫して行い、地域に根ざした活動で藍にまつわるモノコトの地場産業化を目指す。2021年NHK大河ドラマ“青天を衝け”では藍に関するシーンの演出と指導として参加。
刺し子作品の作者
佐奈喜千恵子(刺し子作品展示)
淡路市北淡地域にて保育士として40年勤務。北淡民俗資料館の開館した昭和50年にドンザと出会い、先人の丁寧な手作業に感銘を受け独学で刺し子を使った作品を作り続けている。本展で、鞄やポーチなど、細やかで美しい模様が浮かび上がる作品を展示する。
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淡路島のドンザ全31着展示中
洲本市立淡路文化史料館にて2着(常時展示)、淡路市北淡歴史民俗資料館にて23着(10月31日までの企画展)のドンザが展示されています。本展示6着を合わせ、淡路島のドンザ全着を見れるのは今だけです。
イベントレポート
「DONZA 展」にお運びいただきありがとうございました。
恥ずかしながら、島民であるにもかかわらずドンザというものの存在を知りませんでした。今回展示の相談を受けて初めてその存在を知り、初めて手にした時、とてもあたたかく、美しいそのさまに、心が震えました。
近年、日本の古布は「BORO」と呼ばれ、その価値が見直され評価も高い。淡路島の漁師の仕事着として使用されてきたドンザは、当時貴重だった木綿の布を藍で染め幾重にも重ねて、さらに刺し子による美しい模様が施されています。破れては繕い、継ぎを施し、暮らしの中で大切に大切に着られていたことが伺えます。刺し子の模様にも様々な意味を込め、丈や形もそれぞれ違い一つひとつ丁寧に仕立てられています。
今回の展示では、大切に使い継がれ、役目を終えた後も大切に保管されていた6着をお借りし、展示しました。羽織ることができるものもあり、その丈夫さや温かさを感覚で受けとっていただけたのではないでしょうか。また、藍染の体験や、刺し子の体験も多くの方にご参加いただき、展示と合わせて、手仕事の技も体験していただきました。
DONZA展
主催:釡口プロジェクトチーム
共催:兵庫県立淡路景観園芸学校、兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科
協力:HIRAMATSUGUMI