然る日_Yoko Komatsu piano concert
- 会期 │ 2025年4月29日(火祝)
然る日
然る(さる) その通り そうである
土の中の暗闇から、仄かに明るいほうへ、そしてひかりにふれる
変わることなく続く柔らかな春の芽吹き
その営みを辿るように内から外へと演奏の場を移します
柔らかく包まれたひかりのなかで 自然のそよぐひかりのなかで
奏でられる音
そんな穀雨 ある日の情景と旋律
「然る日」
Yoko Komatsu piano concert
2025年04月29日 火祝日
1部
10:30 開場 飲み物と菓子
11:00 開演
12:30 終演
2部
13:30 開場 飲み物と菓子
14:00 開演
15:30 終演
場所| HIRAMATSUGUMI
兵庫県洲本市中川原町中川原 555
金額 | 6,600 円(税込)
Yoko Komatsu 小松陽子
自然の存在やピアノを通して気づいていった”生きる”ということ、
そして”目には見えない世界”。それらの感覚に重ね、心ふるえた瞬間、
その空気を、そのまま音として残している。
ピアノ演奏 | Yoko Komatsu
空間装飾 | 宝島染工
飲み物 | mochitsu motaretsu
菓子 | HIRAMATSUGUMI
空間構成 | ヒラマツグミ一級建築士事務所
お申込み | TEL 0799-25-8315 mail gallery@hgumi.net
ご希望の時間、お名前、人数、電話番号をご明記ください
イベントレポート
自分たちがつくったものにうっかり感動してしまうことはこの上ない喜びだと思う。 宝島染工さんが今回のために設えて下さった染め布が柔らかな光を留め、薄ぼんやりとその先に確かに光があることがわかる。まだ地上に出る前の、いよいよ芽を出さんとするその期待感と喜び、そして少しの緊張感を伴った空間がそこに出来上がっていました。
真っ白な装いに身を包み、存在そのものが無垢なひかりのような陽子さんが静かにピアノの前に座り、音の響きを確かめるように優しく弾き始めると、たちまち意識が聴覚に向けられ、自然と目を閉じて音の調べに身を預けるような感覚に。
最後に演奏して下さった未発表の曲は、まるでこの演奏会のために作られたのかと錯覚するほど、自然の中へ芽吹き始める歓びと祝福に溢れていました。
その旋律に誘われるように外へと演奏の場を移し、先ほどとは対照的な全ての感覚がひらかれるような空間で第2幕が始まりました。
そこでは私たちがつくりだしたものは何もなく、この日このときにただ、在る、環境が舞台となり、鳥の声、風、木々からこぼれるひかりが陽子さんの演奏を演出してくれました。
ピアノの音色に合わせて、鳥が囀り、曲の盛り上がりと共に風が強くなる。偶然とは思えない、そんな一瞬が確かにありました。
変わることなく続く柔らかな春の芽吹き、その営みを辿るという大きな流れが常に底にあり、然る日という言葉が、関わってくれた方々の感覚をひとつに重ね合わせ、この演奏会を最後まで導いてくれました。陽子さんのピアノ、宝島染工さんの装飾、お客さま、そして大きな大きな自然という存在が、自分たちだけでは到底辿り着かない、見ることのできなかった美しい景色を見せてくれました。
お運び下さった皆さまの表情や伝えてくれる言葉で心が満たされ溢れて、拙い言葉をつらつらと書き連ねましたが、この辺で栞を挟んでそっとページを閉じたいと思います。
穀雨 ある日の情景と旋律