植生の調査_File07_御井の清水

2025.12.20

Researchの概要

御井の清水(おいのしみず)は、古事記の仁徳記の中で、「朝夕、淡道島の寒泉を汲みて大御水奉りき」と記されている、天皇の御料水「淡道島の寒泉」であると伝えられている。
淡路島北部の最高峰、妙見山(525.4m)に降った雨は、長い年月をかけて花こう岩層で磨かれ、清らかな水が湧出している。

今回は佐野地区の国道28号線沿いから徒歩で水汲み場を目指す。

また、今後改装予定の物件周辺の植生のリサーチも兼ねている。

Oinoshimizu (Clear Water of Oi) is said to be the “cold spring of Awaji Island,” the water reserved for the Emperor, as recorded in the Nintoku Chapter of the Kojiki, which states, “Morning and evening, he drew water from the cold spring of Awaji Island and presented it to the Emperor.”
Rain that falls on Mt. Myoken (525.4m), the highest peak in northern Awaji Island, has been polished by granite layers over eons, resulting in the spring of Oinoshimizu.

This time, we will walk along National Route 28 in the Sano area to the water pumping point.

The project also includes research into the vegetation around properties that are scheduled for future renovation.

調査日2025年11月17日

バクチノキ
Prunus zippeliana
バラ科 常緑高木
分布 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄
高さ 10~15m

兵庫県最大のバクチノキ。
灰褐色の樹皮は、樹齢を重ねるとウロコ状に剥離し続け、オレンジ色の幹肌が現れ、独特な斑模様を描く。
博打に負けてみぐるみ剥がされる様子に例えて命名されたそう。
秋に白いホワホワした花をつける。雌雄同株。
樹皮は香りがあり、染料にもなる。

ハナミョウガ
Alpinia japonica
ショウガ科 常緑低木
分布 本州(関東以西)〜九州、奄美大島
 
山地のやや湿った林下に生育する。葉が茗荷の葉とよく似ている。葉のうらはふわふわしていて、実は秋が深まる頃に赤く熟す。
葉はいい香りで、芳香成分はシネオール、β-ピネン、樟脳、セスキテルペンなどが含まれる。種子は乾燥させ、主に健胃の効果を持つ薬として使用される。

御井の清水の水汲み場。少し前までは壁も屋根も竹で作られていたのですが、新しく建て替えられていた。水量は多くないですが、よく冷えていて美味しい。
車では近くまで乗り付けることはできないので、地元の人は、原付などで汲みにきてるのかもしれません。

ヤマヤブソテツ
Cyrtomium fortunei var. fortunei
オシダ科 常緑
分布 本州から九州の山地、低地
高さ 50~100cm

ヤブソテツはシダ植物の一種で、多くの種がある。
湿った場所を好み、水汲み場の近くで確認できた。

 

クリハラン
Neocheiropteris ensata
シダ科 
分布 本州の関東以西、九州、沖縄本島
高さ 30~70cm

地上から細い披針形の葉が立ち上がり、葉柄は長い。名前の由来は、葉が薄く側脈のはっきりした様がクリの葉に似ているためとされている。
湿った場所を好み、湧き水が流れる道脇に見られた。

 

フウトウカズラ
Piper kadsura 
コショウ科 常緑性のつる性木本
分布 本州の関東以西、四国、九州、南西諸島、伊豆諸島、小笠原諸島
高さ 10m

沼島でも見かけたフウトウカズラ。花期は4~6月、果実は11~3月に赤色に熟する。葉や果実は胡椒に似ているが、果実に辛味は無いとされる。

 

四方葛池(ヨモカズラ)

淡路島にはため池が多い。かつては下流に田畑があったのだろう。
葛はマメ科のつる性の植物で、繁殖力が強く短期間で低木林を覆い尽くすほど成長が早い。四方に葛が繁殖していたためこの名がついたのだろうか。

ヒメコウゾ
Broussonetia monoica
クワ科 落葉低木
分布 岩手県以南、四国、九州
高さ 2~5m

葉の形は歪んだ卵形から広卵型で、2~3片に深裂するものある。低地や低山地の林縁に自生のものも見られるが、和紙の原料として栽培するために人が植えたものも多い。繊維がとても強く、樹皮の下の繊維部分を取り出して和紙を作る。和紙に使用されるコウゾは、ヒメコウゾとカジノキの雑種とされている。

クサギ
Clerodendrum trichotomum
シソ科 落葉低木 
分布 北海道、本州、四国、九州、琉球列島
高さ 2~3m

日当たりの良い原野や林縁、河原、山道などに群生する。最初に生えてくる樹木として先駆植物(パイオニア)の典型である。花期は7~9月ごろ、白い花を多数咲かせ、果期は10~11月ごろで、熟すと藍色になる。果実は、染色に使用される。葉は、独特な香りがあり、若葉は山菜として利用される。根は薬用にもなる。

カゴノキ
Litsea coreana
クスノキ科 常緑高木
分布 関東以西の本州、四国、九州、南西諸島
高さ 15~20cm

樹皮が鹿の子の模様に似ているため鹿子の木と呼ばれている。常緑広葉樹林に混成することが多く、瀬戸内海沿岸に群落が多い。薪炭林として、人が使用するために何度も切ったために、根本から連立しているような樹形になっている。

 

アラカシ
Quercus glauca
ブナ科 常緑広葉樹 
分布 関東以南(一部の種は北限が太平洋側で宮城県、日本海側で新潟県)
高さ 10~20m

木偏に堅いと書く樫は、木材として非常に硬く、強度が高いため、建築用材や鉄道の枕木などによく使われる。カシのどんぐりは渋くて、有毒でもある。

ナワシログミ
Elaeagnus pungens
グミ科 常緑低木
分布 関東地方以西の本州、四国、九州 
高さ 2.5mほど

他の木にツル植物のように引っかかって伸びていく。葉の裏面に、褐色から銀燭の鱗片が多く白っぽく見える。稲の苗代(4~5月)を作る頃に果実が熟すところからナワシログミと名付けられている。果実は食用にもなる。

ムクノキ
Aphananthe aspera
アサ科 落葉高木
分布 本州関東以西、四国、九州、屋久島、種子島、沖縄
高さ 20~30m

葉は互生し、卵形で、葉縁は先端まで鋭い鋸歯あり。葉の表面に細かい剛毛が生えており、紙やすりのように研磨材として使用される。
成長が早いため大木になりやすく、また果実がムクドリなどの小鳥に好まれ、鳥が集まる木としても知られる。

センダン
Melia azedarach
センダン科 落葉高木
分布 伊豆半島以西の本州、四国、九州、伊豆諸島、沖縄
高さ 5~20m

この時期(10~12月頃)に落葉しても果実が木にぶら下がっているため見つけやすい。
果実は苦楝子(くれんし)と呼ばれ、ひび、しもやけの外用薬として、整腸薬、鎮痛剤などの内服薬として利用される。樹皮も苦楝皮(くれんぴ)として薬用として用いられる。人や犬が食べると食中毒をおこす。

アカメガシワ
Mallotus japonicus
トウダイグサ科 落葉小高木 
分布 岩手・秋田県以南、四国、九州、沖縄
高さ 5~10m

日当たりの良い場所を好み、伐採や森林火災により森林が破壊されると一気に繁殖する典型的なパイオニア植物である。樹皮や葉は生薬になり、種子と葉は染料になる。若葉は食用される。新芽が赤いこと、葉が柏の葉のように大きくなることから「アカメガシワ」と命名されたと言われる。

ヤマザクラ
Cerasus jamasakura
バラ科 落葉高木 
分布 宮城・新潟県以南、四国、九州
高さ 15~25m

日本に自生するサクラの代表樹種。日当たりの良い明るい場所を好む。老木は、黒褐色を帯びて、粗くひび割れが生じる。

コマツヨイグサ

ヒメユズリハ

シマカンギク

クマノミズキ

ヤブマオ

チャノキ

ヤブニッケイ

エビヅル

ヤマノイモ

ヨモギ

タンキリマメ

ヒヨドリジョウゴ

Open Hours

Architects

  • open hours9:00~19:00
  • closeSun, Holiday
× ×

Cafe

  • open hours11:00~17:00
  • closeSun - Thu
× × × × × Δ
最新の営業情報はinstagramをご覧ください。

Access

  • 〒656-0002
  • 兵庫県洲本市中川原町中川原555

Contact