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屋根について

2018.2.10

雨垂れ落ちは汚してはならない神聖な場所である。雨垂れ落ちが生と死をつかさどるほどの生命力もったところであることを示している。民家の内と外とを分ける神聖な境界のもつ力からくるものであろう。
-民家と日本人-津山正幹

軒下は干渉地帯でもある。壁以外にもう一つの境界を生み出す。そこは外であるが雨がかかりにくい、もう一つの家の境界になる。穏やかで時には脅威となる自然環境とは、対峙するというよりも緩やかにつながり、寄り添った関係性を保ちながら豊かな生活の場所を生み出してきた。今ではおおげさに思えてしまうことでも、昔の人は敏感にそのことを感じ取っていたのだろう。いつのころからか建築に屋根はなくなった。建築とは、ヒトや社会の要請を効率よく叶えるためのものであると同時に、自然の理に則って形作られたものであるはずである。近代以降、ヒトや社会の要請にこたえ効率化が図られたため、自然の理を顧みることなく突き進んだ。再度、自然とのかかわり方を再考し屋根をかける必要があると考える。
もっとも単純に効率よく稜線が水を流すという点において、より自然なカタチである切妻屋根を選択した。淡路島の家は単純な切妻屋根と少し長く延びた庇がおおらかに居場所を覆う。

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